基準地価が連続上昇中!全国平均1.4%増加の背景とは?インバウンドと半導体産業の影響を探る

基準地価が連続上昇中!全国平均1.4%増加の背景とは?インバウンドと半導体産業の影響を探る

2024年7月1日時点での国土交通省の発表によると、日本の基準地価は全国平均で3年連続の上昇を示しました。全用途平均では前年比1.4%の増加となり、特に住宅地は0.9%、商業地は2.4%とそれぞれ上昇しています。これらの上昇は、1991年以降で見られたバブル崩壊後の最高の伸び率に相当します。

この地価上昇の背景には、旺盛なインバウンド需要や、いわゆる「半導体バブル」が大きく影響しています。特に観光地や半導体関連の施設が集中する地域では顕著な上昇が見られました。

住宅地の上昇率トップ3は、1位が沖縄県恩納村で29%、2位が沖縄県宮古島市で26.1%、そして3位が北海道千歳市で23.5%となっています。沖縄では観光だけでなく、移住需要の増加が地価を押し上げ、北海道千歳市では次世代半導体製造の国産化を目指すRapidus(ラピダス)の工場建設による人口増加期待が地価上昇に寄与しています。

商業地では、熊本県の大津町が33.3%で首位、同じく熊本県の菊陽町が32.5%で3位、長野県白馬村が30.2%で4位にランクインしました。特に熊本では、台湾の半導体大手TSMCの工場開所が上昇の大きな要因となっています。また、外国人観光客の増加により、長野県白馬村や岐阜県高山市、東京都台東区浅草などでも地価が急上昇しました。

反面、今年1月に発生した能登半島地震の影響で、石川県の輪島市、珠洲市、穴水町、七尾市、そして富山県高岡市などでは地価が10%以上も下落しました。これらの地域は地震による被害が甚大で、復興活動が進む一方で、不動産価値の回復には時間がかかると予想されます。

今後の地価動向について、不動産開発会社の幹部は、景気回復基調により不動産需要は当面堅調であると見ています。しかし、同時に、日本銀行による追加利上げが予想される中で、住宅ローンや各種金利の上昇が地価上昇の勢いを鈍らせる可能性を指摘しています。このため、今後の金利動向が地価変動の重要なカギとなるでしょう。