命の危険迫る:石川・能登北部に大雨特別警報、復旧中の地域も最大級の警戒を

命の危険迫る:石川・能登北部に大雨特別警報、復旧中の地域も最大級の警戒を

気象庁が石川県の輪島市、珠洲市、能登町に対して「大雨特別警報」を出しました。これは、正午から国土交通省と共に行われた緊急記者会見で明らかにされたもので、気象庁の大気海洋部の杉本悟史予報課長は、「命の危険が迫っている」と述べ、住民に対して最大限の警戒を呼びかけています。

この背景には、秋雨前線と台風14号から流れ込む湿った空気により、石川県で記録的な大雨が降っています。特に、午前9時過ぎには線状降水帯が発生し、正午までの12時間で輪島市では298.0ミリ、珠洲市では218.0ミリという、平年の8月一ヶ月分をはるかに超える雨量を観測しました。これはそれぞれの地域で観測史上最大の降水量となっています。

さらに、今後は風も強まる予報で、能登半島沿岸では非常に強い風が吹く見込みです。この状況は、1月の能登半島地震で被害を受けた堤防や護岸が完全には復旧していない地域にとっては特に危険で、普段より低い水位でも洪水のリスクが高まるため、早期の避難が求められています。

台風14号はこれから温帯低気圧に変わるものの、日本に接近する予想で、気象庁は「低気圧に変わったからと言って警戒を怠ってはいけない」と注意を促しています。明日にかけては、東北や北陸を中心に大雨が続き、九州から東北にかけて広範囲で暴風が吹く可能性があります。

気象庁はまた、他の市町村に対しても特別警報を発表する可能性を示唆し、特別警報を待つことなく、避難情報に従って直ちに安全を確保するよう呼びかけています。これは、自分の命だけでなく、大切な人の命を守るための重要な行動です。