中国動画アプリ「快手」、デマ情報拡散でアカウント閉鎖措置

中国動画アプリ「快手」、デマ情報拡散でアカウント閉鎖措置

中国広東省深セン市で起きた、日本人の男子児童が刺殺されるという悲惨な事件の後、中国の人気動画投稿アプリ「快手(クアイショウ)」は、社会的な混乱を引き起こす可能性のある誤った情報を拡散したとして、90以上のアカウントに対し、閉鎖を含む措置を講じました。この措置は2024年9月21日に発表されました。

事件後、中国のSNSやインターネット上では、「日本人学校はスパイの拠点である」などの根拠のない噂やデマが急速に広まりました。これらのデマは、日中間の対立をさらに煽り、日本人に対する敵対心や暴力的な行為を正当化するような意見も見受けられました。

また、記憶に新しい今年6月には、江蘇省蘇州市で日本人母子が通り魔に襲われる事件が発生しました。この時も同様に、反日感情を増幅させる内容の投稿がネット上に溢れ、中国のIT企業はこれら不適切な投稿に対処するため、アカウントの閉鎖などの対応を行った経緯があります。

これらの事件とその後のネット上の反応は、個々の事件だけでなく、より広範な日中間の緊張関係や、ネット上の情報管理の難しさ、そしてデマが引き起こす社会的な影響を象徴しています。快手の今回の措置は、そうしたデマや憎悪を最小限に抑え、ネット空間を少しでも健全に保つための一歩と見ることができますが、一方で、言論の自由や情報の透明性についての議論も引き起こしています。