岸田首相、長崎「被爆体験者」への全面的支援を宣言:医療費助成を拡大

岸田首相、長崎「被爆体験者」への全面的支援を宣言:医療費助成を拡大

長崎市に原子爆弾が投下された際、国の定めた被爆地域の外にいたため「被爆体験者」と区分されている人々について、長崎地方裁判所は一部を被爆者と認める判決を出しました。この判決を受けて、岸田文雄首相は2024年9月21日、全ての被爆体験者に対して、被爆者と同じ医療費助成を実施することを表明しました。

この決定は、長崎県の大石賢吾知事と長崎市の鈴木史朗市長との首相公邸での会談後に発表されました。長崎地裁の判決では、原告44人中15人が被爆者と認められましたが、残りの29人は認められませんでした。しかし、岸田首相はこの判決にかかわらず、訴訟の原告であるかどうかにかかわらず、全ての被爆体験者を支援対象に含める方針を示しました。

首相は、精神疾患の有無に関係なく、またその疾患に限定せず、幅広い一般的な疾病に対しても被爆者と同等の医療費助成を行う新しい事業を創設することを約束しました。この助成は、年内のできるだけ早い時期から適用される予定で、具体的な制度設計については長崎県と長崎市と協力して進めていくと述べました。

これに先立ち、岸田首相は18日にも大石知事と鈴木市長とオンラインで会談し、政府として迅速に対応策を提示する意向を示していたことから、今回の発表はその具体的な実行策と言えます。この政策は、被爆体験者の高齢化や健康問題に配慮したものであり、被爆体験者への支援拡大を目指すものです。