米メタ（旧フェイスブック）は17日、インスタグラムにおいて18歳未満のユーザーに対する新しい保護機能を導入することを発表しました。この変更は日本を含む全世界を対象としており、特にアメリカではSNSを通じて知らない大人と繋がった未成年者が性的搾取などの被害に遭う事例が深刻化しており、SNS企業に対する対策の強化が求められていました。
この新しい機能では、18歳未満のユーザーは自動的に「ティーン・アカウント」に移行します。このアカウントはデフォルトで非公開設定となり、そのユーザーの投稿は承認済みのフォロワーだけが閲覧できるようになります。また、これらのユーザーはフォロワーまたは既に繋がっている人からしか直接メッセージを受信できません。
さらに、18歳未満のユーザーは特定のコンテンツ、例えばけんかや美容整形に関する動画などを閲覧することが制限されます。また、健康的なライフスタイルを促すため、夜10時から朝7時までの間は通知がサイレントモードになる設定が適用されます。
16歳未満のユーザーについては、保護者の同意なしにはこれらの制限設定を変更することができません。メタはまた、ユーザーが年齢を偽っていないかを確認するための新技術を開発中であると述べています。
保護者向けの機能として、過去7日間に子どもがメッセージを交換した相手を確認できる機能が提供されます。保護者はさらに、子どものSNS使用時間を制限したり、特定の時間帯での使用を禁止することが可能となります。
このティーン・アカウントへの移行は、アメリカやイギリスなどでは60日以内に開始され、来年1月から日本を含む世界中で順次実施されます。メタが運営する他のSNSも、来年以降同様の変更を進める予定です。
背景として、アメリカではSNSが原因で未成年者が性犯罪の被害に遭うケースが増加し、今年の初めには米上院司法委員会がメタやX（旧ツイッター）などのSNS大手5社の代表を呼び出し、未成年者保護のための対策を強化するよう求めていました。