X(旧Twitter)が特定のアカウントを削除、ブラジルのサービス停止解除に向けた動き

X(旧Twitter)が特定のアカウントを削除、ブラジルのサービス停止解除に向けた動き

ブラジルで、以前はツイッターとして知られていたソーシャルメディアプラットフォーム「X」が、ブラジル最高裁判所の命令により全国で利用停止に追い込まれています。この問題は、Xが特定のユーザーアカウント削除や規制に応じなかったことから発展しました。Xの運営側は、ブラジルの司法当局が求める偽情報対策や政治的な発言の規制を、「言論の自由の侵害」だとして拒否。これに対し、司法側はXのサービス全面停止という強硬措置を決定しました。

具体的には、8月末からXはブラジル国内でアクセスできない状況にあります。これに対抗するため、X側は18日から段階的に要求に応じる姿勢を見せ、特に右派の影響力が強いブロガーや、誤った情報を意図的に広めたと疑われるユーチューバーなどのアカウント削除を開始しました。この動きは、X全面停止の解除に向けた第一歩と見られています。

さらに、Xはこの問題に関連して科せられた約1800万レアル(日本円で約4億7千万円)の罰金も既に支払いました。現在、Xがまだ果たしていない義務は、ブラジル国内での法定代理人の正式な任命だけです。この手続きが完了すれば、ブラジルでのXのサービス停止命令が解除される見通しが立っています。

この一連の出来事は、プラットフォームの運営方針と国家の法律や規制との衝突を象徴しています。特に、XのCEOであるイーロン・マスク氏は、こうした規制を検閲とみなし、言論の自由を盾に反論してきました。しかし、ブラジルの現政権との対立や、最高裁の強硬な姿勢を受け、Xは段階的に対応を余儀なくされています。この事例は、デジタル時代における情報の自由と規制のバランス、そして国際的なソーシャルメディア企業が各国の法律にどう対応するかという難題を浮き彫りにしています。