レバノンで連続爆発、ポケベルがイスラエルのスパイ活動のカギ?NYTが暴く謎の企業製造裏話

レバノンで連続爆発、ポケベルがイスラエルのスパイ活動のカギ?NYTが暴く謎の企業製造裏話

レバノンで起きたポケットベル型の通信端末の一斉爆発事件について、米国の新聞、ニューヨーク・タイムズは9月18日に興味深い報道を行いました。3人の情報関係者からの情報を基に、事件で使用された端末を製造したとされるハンガリーの企業、BAC社が、実はイスラエルのためのフロント企業、つまり隠れ蓑だったと伝えています。

この報道によると、イスラエルのスパイ活動をカモフラージュするために、BAC社以外にも最低でも2つのペーパーカンパニーが設立されていたそうです。BAC社は表向きには普通の製品を製造していましたが、ヒズボラ向けには特別にPETNという爆薬を混入した電池を搭載した危険なポケットベルを製造していました。この特殊なポケベルの出荷は2022年の夏から始まり、ヒズボラの最高指導者ナスララ師がメンバーに携帯電話の使用を禁止した後の今年2月から増産されたということです。

ポケベルの製造元を巡っては様々な疑惑や推測が飛び交っています。実際にポケベルには台湾の企業、ゴールド・アポロ社の商標が付いていましたが、同社は製造の責任をハンガリーのBAC社に転嫁し、彼らは単にブランドの使用権を認めただけだと主張しています。

このように、表面上は単なる通信端末だったものが、実際には国際的な陰謀と直接結びついていたというこの事件は、情報戦や国際諜報活動の複雑さと恐ろしさを浮き彫りにしています。レバノンでのこの一連の出来事は、技術的な偽装と情報操作がどれほど現実世界に影響を与えるかを示す一例として注目されています。