日本の国民的アニメ「ドラえもん」で、ドラえもん役を務めた声優で女優の大山のぶ代さん(本名:山下羨代(やました・のぶよ))が、9月29日に老衰のため東京都内の病院で亡くなったことが、10月11日に所属事務所から発表されました。享年90歳。葬儀は親族のみで行われました。
大山さんは東京都出身で、その独特なハスキーボイスで知られており、約26年間にわたって「ドラえもん」を演じました。彼女の演じるドラえもんは幅広い世代から愛され、ドラえもんの台詞「ぼく、ドラえもん」は多くの子供たちに真似されるほど親しまれていた。
2015年には認知症を公表し、2017年に夫で俳優の砂川啓介さんが亡くなってからは、介護施設に入所していました。大山さんは晩年、アルツハイマー型認知症の症状が進行し、自発的に話すことはほとんどなくなりましたが、施設の職員や長年のマネージャーの声には反応を示していたと言われている。
幼少期、大山さんは自分の個性的な声に悩んでいた時期がありましたが、その声を活かすために俳優を目指した。彼女は俳優座養成所で演技を学び、1957年に「名犬ラッシー」の吹き替えで声優としてデビュー。その後、1979年にスタートしたアニメ「ドラえもん」のオファーを受け、原作に強く惹かれていたこともあり快諾。彼女のドラえもん役はあまりに自然で、原作者である藤子・F・不二雄氏も「ドラえもんはこういう声だったんですね」と認めるほど。
しかし、大山さんは2001年に直腸がんで入院したことを機に、降板を考えるようになった。そして、2005年3月、71歳のときに他の主要キャストと共に「ドラえもん」の声優を勇退。その後も大山さんにとってドラえもんは特別な存在であり、彼女は「ドラえもんは私の子供のようなもの。いつも私の中にいるので、寂しさは感じません」と語っていました。実際、大山さんにとってドラえもんは子供のように大切な存在であったのだ。
今年7月には、のび太役を務めた小原乃梨子さんが亡くなり、ジャイアン役のたてかべ和也さん、スネ夫役の肝付兼太さんもすでに他界している。現在、当時の主要キャストで存命しているのは、しずか役を演じた野村道子さんだけである。
大山さんは2008年に心筋梗塞と脳梗塞で倒れ、2015年には認知症を公表。その後、夫の砂川啓介さんの支えを受けながら自宅での生活を続けましたが、2016年に砂川さんが尿管がんを患って以降、大山さんは介護施設に入所しました。2017年に砂川さんが亡くなった際には、大山さんも喪主として名を連ねましたが、参列することは叶いませんでした。
生前、大山さんは「遠い未来まで、ずっとずっとみんなに愛される『ドラえもん』であってほしい」と強く願っていた。その思いは、次の声優としてドラえもん役を引き継いだ水田わさびさんによって受け継がれ、ドラえもんは今もなお、世代を超えて愛され続けている。
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