TikTok、11月28日に自社音楽配信サービスを終了へ|SpotifyやApple Musicへの楽曲追加機能に注力

TikTok、11月28日に自社音楽配信サービスを終了へ|SpotifyやApple Musicへの楽曲追加機能に注力

 中国のテクノロジー大手、字節跳動(バイトダンス)は、傘下の人気動画共有プラットフォーム「TikTok」を運営している会社として有名です。そのバイトダンスが、2023年に始めた音楽配信サービス「TikTok Music」を、今年の11月28日をもって終了すると発表しました。

 TikTok Musicは、もともとは「Resso」というバイトダンスの海外向け音楽配信アプリが前身でした。TikTokの広大なユーザー層を活かして、音楽ストリーミング市場でも存在感を示そうという狙いでスタートしたのです。TikTokで見つけた音楽をそのままダウンロードしたり、SNS機能を通じて簡単に友達と共有したりできる点で、多くのユーザーの興味を引きつけました。当初は、新しい音楽を発見できるプラットフォームとして期待されていました。

 しかし、TikTok Musicは十分な成長を見せることができませんでした。その理由の一つは、すでに大手の音楽配信アプリ、例えばSpotify、Amazon Music、Apple Musicといった競合が、すでに市場を強固に支配していたからです。これらのアプリに対抗することができず、また楽曲の使用料に関する問題や、サービスを利用するユーザーが定着しにくかったことも、大きな課題でした。

 こうした状況を受けて、バイトダンスはTikTok Musicのサービスを終了し、今後は他の音楽配信サービスと直接競争するのではなく、協力関係を強化する方針にシフトすることにしました。実際、2月からは、TikTokで見つけた楽曲をSpotifyなどのプレイリストに直接追加できる機能を提供する予定です。

 TikTokは、今や新しいヒット曲が生まれる場として、音楽業界において非常に重要なプラットフォームになっています。多くのアーティストがTikTokを利用して自分の楽曲を宣伝したり、ユーザーが短い動画に合わせて音楽を使用することで、突然人気が爆発することもしばしばです。このようにして生まれた楽曲が世界的なヒットになることも少なくありません。しかし、音楽業界の一部では、TikTokの影響力が強まりすぎていることに対する懸念もあります。音楽を楽しむ方法が変わりつつある中で、TikTokが音楽業界に与える影響は、今後も注目され続けるだろう。


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