横浜の全長45メートル踏切で死亡事故、市長は廃止を検討、住民は存続を希望

横浜の全長45メートル踏切で死亡事故、市長は廃止を検討、住民は存続を希望

 神奈川県横浜市鶴見区にある「生見尾(うみお)踏切」で、ベトナム人男性が亡くなる事故が9月29日の夜に発生した。この踏切は、長さが約45メートルもあり、JRの線路が上下6本通っている大きな踏切である。線路の間には、歩行者が途中で立ち止まれる「待避場所」があるが、今回の事故では男性が誤って立ち止まってしまい、そのまま列車に接触してしまったと考えられている。

 この踏切では、2013年以降、今回の事故を含めて4件の死亡事故が発生しており、安全性に対する懸念が高まっている。横浜市の山中竹春市長は、踏切の廃止を進めたいと発言しており、既に2014年からこの踏切を廃止する計画が進められている。この計画には、自転車も通れるような大きなエレベーターを備えた歩道橋を新しく作ることが含まれています。しかし、地元の住民の間では、踏切の廃止に対して反対の声が上がっています。

 住民は、踏切が廃止されると生活の不便が増えることを心配しており、もし踏切がなくなれば、車は2キロも先の鶴見駅や、新子安駅まで迂回しなければならないことに。このことから、地元の住民団体の会長である山崎省三さんは、「踏切を廃止することが事故を防ぐ最も効果的な方法かもしれないが、地元の生活が大きく変わってしまう」と述べています。また、踏切をなくす代わりに、監視員を夜間にも配置して安全対策を強化するべきだという意見も。

 さらに、この地域は海に近い臨海部にあり、エレベーターは停電時には使用不能。そのため、災害時に津波から逃げる際にエレベーターが使えなくなることを心配する声もあります。

 市は今後、路面に標示を追加したり、既存の歩道橋をもっと利用するように促す看板を設置するなど、事故防止に向けた対策を取る予定です。山中市長は、住民たちの意見をしっかり聞きながら進めていきたいと語っており、踏切の廃止については、住民との合意を大切にしながら決定する考えを示しました。


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